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第10回 遺伝情報発現制御機構とその病態(その1)

五十嵐和彦落合恭子Andrey Brydun

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 88-93, 2012

「はじめに」ゲノムの機能はまさに多彩であり, 発生, 分化, 恒常性維持など, ほぼすべての生命現象の調節に関わり, その調節異常は癌などさまざまな疾患を引き起こす. ゲノムDNAはまずRNAに転写され, そのRNAを鋳型にタンパク質が合成され, それらタンパク質が働くことにより, ゲノムの機能が発現する. 一連の過程ではタンパク質がDNAに結合したり, タンパク質同士が結合することにより, 複雑なネットワークが形成される. このシリーズでは2回にわたって, ゲノム機能発現の根幹を成す遺伝子のRNAへの転写や転写のエピジェティク制御に焦点を当て, 基本概念や各種の測定法, ネットワークの抽出, その病態における異常を解説する.
「I. 遺伝子発現調節の概略」
「1. シスエレメント」各遺伝子の発現は, 遺伝子近傍に存在するDNA配列や遠く離れたDNA配列(シスエレメント)により制御される(図1)1).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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