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特集 総合的に考える高齢者の呼吸器疾患

老化に伴う呼吸器系防御機構の低下

Aging and decline of respiratory defense mechanisms

玉置伸二

THE LUNG perspectives Vol.20 No.2, 36-40, 2012

「Summary」呼吸器系は直接外界と接しており, 外来異物の侵入に曝されているためさまざまな防御機構が働いている. 老化に伴いこれらの機能低下がみられ, 高齢者では肺炎の合併が多く重症化しやすい. また, 呼吸器系の物理的防御機構や生物学的防御機構も低下している傾向にある. 嚥下反射・咳反射は咽頭内容物の下気道への吸引を防ぐ防御機構であり, 大脳基底核領域の梗塞がある場合には両反射の低下により誤嚥性肺炎を起こしやすい. 免疫学的防御機構では, 老化に伴い自然免疫系の低下がみられ, 高齢者の気道への易感染性がもたらされる. 獲得免疫系からも加齢は易感染要因と考えられ, 老化と免疫学的防御機構の関連については自然免疫系と獲得免疫系を包括的に理解し, その機能を考えていく必要がある.
「はじめに」加齢は感染症の危険因子であり, 75歳以上の高齢者における市中肺炎(community-acquired pneumonia; CAP)の頻度は15~19歳までの青年期における頻度の50倍以上と報告されている1).
「Key words」老化, 呼吸器系防御機構, 誤嚥性肺炎, 自然免疫, 獲得免疫

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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