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特集 尿酸に影響する遺伝性代謝異常、最近の進展

2.各論[高尿酸血症] 1.Lesch-Nyhan症候群

山田裕一山田憲一郎

高尿酸血症と痛風 Vol.28 No.1, 22-27, 2020

X連鎖性劣性疾患で,顕著な高尿酸血症や高尿酸尿症を特徴とする“奇妙な”代謝性および神経学的症候群であるLNSが報告され1),その生化学的原因がHPRTの単一酵素欠損であることが明らかにされた2)。HPRTが先天的にほぼ完全に欠損すると尿酸産生過剰による高尿酸血症をきたすほか,不随意運動や筋硬直,精神遅滞,特有の自咬症を呈する典型的なLNSを発症する。一方,Kelley-Seegmiller症候群(Kelley-Seegmillersyndrome;KSS,MIM300323)とも呼ばれる部分欠損症(Lesch-Nyhan variant;LNV)は高尿酸血症が重症の痛風や急性腎不全の原因となり,さまざまな神経症状を伴う症例がみられる。HPRT欠損症は最も重篤なLesch-Nyhan disease(LND),神経症状を有するが,LNDに特異な自咬症を伴わないHPRT-relatedneurological dysfunction(HRND),高尿酸血症のみで神経症状や行動異常を伴わないHPRT-relatedhyperuricemia(HRH)に分類される。この疾患の臨床および研究の最新情報は,世界8ヵ国の医師と研究者で構成される国際Lesch-Nyhan病研究グループによるウェブサイト(http://www.lesch-nyhan.org)で紹介され,日々更新されている。
「KEY WORDS」HPRT欠損症,尿酸産生過剰,高尿酸血症,HPRT1,遺伝子変異,神経学的症候群

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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