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特集 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂―関連する診療ガイドラインにおける高尿酸血症の位置づけ―

4.尿路結石症診療ガイドライン第2版(2013)

山口聡

高尿酸血症と痛風 Vol.27 No.2, 36-42, 2019

尿路結石症の治療や再発防止の対策上,高尿酸血症をはじめとする尿酸代謝は非常に重要である。高尿酸血症や痛風に関わる尿路結石は,尿酸結石だけではなく,最も頻度が高いシュウ酸カルシウム結石もあるため,尿路結石症診療ガイドライン第2版においても,尿酸代謝に関する記載が多くなされている。尿酸代謝が関与する尿路結石の危険因子として,尿量低下,持続する酸性尿や尿中尿酸排泄量の増加が強調されているが,これらのスクリーニングとして高尿酸血症の把握は必須である。疫学的には,肥満や生活習慣病などとの関係が明らかになりつつあり,尿路結石の再発予防が直接的にこれらの病態の改善にも繋がる。そのためには,従来から行われている飲水指導,尿酸生成抑制薬や尿アルカリ化薬を中心とした薬物療法,栄養食事指導がますます重要となっている。尿酸代謝に関する遺伝的素因についての研究は,わが国が世界をリードしており,今後,尿路結石との関係解明への応用が期待される。
「KEY WORDS」尿酸結石,シュウ酸カルシウム結石,酸性尿,尿酸生成抑制剤,尿アルカリ化薬,栄養食事指導

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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