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特集 結晶沈着性関節炎再訪

3.新しい検査法 1)[¹¹C]PETイメージングを用いた尿酸動態の解析

渡辺恭良

高尿酸血症と痛風 Vol.27 No.1, 26-32, 2019

ポジトロンエミッショントモグラフィー(PET)は,ヒトに適用される技術であり,その高い感度や定量性から,診断・創薬・治療効果評価における重要な分子追跡手段である。従来間接的に類推するしかなかったヒト組織中の薬物濃度推移についても直接的な評価ができる。また,創薬標的の把握・検証,病態診断,治療評価判定に重要な生体分子の発現や機能を可視化するPETプローブを薬効評価のサロゲートエンドポイントとして利用することも可能である。PETを中心とする分子イメージング技術を動物モデルとヒトとで共通の評価基盤とするイメージング活用創薬により,開発初期から臨床試験・投薬治療まで薬物動態と薬効の関連を強く結びつけた,より実証的でシームレスな創薬研究が実現する。PETが分子イメージングモダリティの中でとくに優れているのは,標識された化合物(生体内物質それ自体)が,内在量に対して超微量のいわゆるトレーサー量で定量的に解析できることである。それは,私たちの身体の内在性物質そのものの動態が追跡できることを意味する。ここに特集された内在性尿酸そのものの全身での動態を追跡することができる。我々の動物モデルでの結果では,高尿酸血症でまだ痛風の発症が検出される前から,すでに関節には尿酸が蓄積している像が得られている。痛風や尿酸による腎障害の先制医療に用いることが可能である。
「KEY WORDS」Positron emission tomography,imaging biomarkers,pharmacokinetics,¹¹C-labelled uric acid

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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