特集 フレイル・サルコペニアと排尿障害
医師の立場から
排尿障害プラクティス Vol.30 No.2, 49-55, 2023
フレイルは加齢に伴い,外的ストレスに対し脆弱性を示す状態であり,わが国の地域在住高齢者におけるフレイルの頻度は約11.3%1)とされている。フレイルは尿失禁発症のリスクであり,過活動膀胱(OAB)とフレイルの関連も指摘されている。サルコペニアは身体的フレイルの主要な要因であり,筋力低下と腹圧性尿失禁や低活動膀胱,切迫性尿失禁や機能性尿失禁との関係が示唆される。われわれは加齢に伴う身体・精神的変化,泌尿生殖器機能低下や低テストステロン状態による種々の障害をウロフレイルとして捉え,総合的に介入していくことが重要と考えている。複雑な病像を呈するフレイル高齢者の排尿障害の診療においては老年医学に関する十分な理解とともに,老年科医との綿密な連携が必要と思われる。
「KEY WORDS」排尿障害,フレイル,サルコペニア,ウロフレイル
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