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治療法紹介

(尿失禁)新しい中部尿道スリング手術

嘉村康邦

排尿障害プラクティス Vol.22 No.2, 75-81, 2014

「はじめに」中部尿道スリング手術(mid-urethral sling ; MUS)にはtension-free vaginal tape(TVT)手術とtransobturator tape(TOT)手術の2種類がある. どちらも女性腹圧性尿失禁の手術法として, 『女性下部尿路症状診療ガイドライン』に推奨グレードAとして記載されている標準術式である1). 最近NilssonらはTVT手術後17年の成績を報告し, 主観的な治癒および有意改善が87%と, 長期成績も優れていることを示した2). 日本における中部尿道スリング手術は, 1999年にJohnson & Johnson社のTVTテープTMが導入され開始されたが, その他の尿失禁手術用キットは認可されることなく, 10年以上にもわたり唯一のMUS用デバイスとして使用されてきた. しかし, ようやく新しい手術キットとして, 2011年8月にTVT手術用のAdvantageTMとAdvantage FitTM(Boston Scientific社)が, また2012年8月にTOT手術用のMonarcTM(American Medical System社)が認可され, わが国でも使用できるようになった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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