治療法紹介
(薬物療法 過活動膀胱)トルテロジン
排尿障害プラクティス Vol.14 No.3, 79-84, 2006
過活動膀胱は尿意切迫感を主症状とした症状症候群であり, 2002年の国際禁制学会(ICS)で定義が変更され, 症状によって診断可能となった疾患概念である. わが国の疫学調査によると, 40歳以上の日本人における過活動膀胱の有病率は12.4%, 患者数は810万人と推定され, 潜在患者が多いことが明らかになった. 2005年に発表された過活動膀胱診療ガイドラインでは, 抗コリン薬による治療が推奨されている. そして2006年6月, わが国で初めて過活動膀胱の適応を取得したトルテロジンが発売された. 従来の抗コリン薬と比べて口内乾燥の発現が少ないこの薬剤は, 今後の過活動膀胱治療において重要な役割を果たすと考えられる. 【はじめに】2002年の国際禁制学会(ICS)で定義された過活動膀胱は, 尿意切迫感や頻尿, 切迫性尿失禁などの下部尿路症状を包括する疾患概念である. 著者らは, 住民台帳から抽出した40歳以上の男女10,096人(回答者数4,570人)を対象に疫学調査1)を実施した. その結果, 過活動膀胱を「1日8回以上の頻尿かつ週1回以上の尿意切迫感」と定義すると, 有病率は12.4%であった.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。