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特集 Onco-Cardiology―がん化学療法と心血管合併症

臨床 アントラサイクリン系薬剤による心毒性

Cardiotoxicity of anthracyclines

佐々木秀法田村和夫

CARDIAC PRACTICE Vol.27 No.2, 37-41, 2016

「はじめに」がんを標的とした薬物療法の進歩は,造血器腫瘍や早期の固形がんの治癒率の向上に寄与し,治癒が困難となった進行・再発がんにおいても生活の質(QOL)の改善と延命をもたらした。使用される薬剤(抗がん薬)には,大きく分けて,①いわゆる「抗がん剤」として1960年代から使用されている,正常・がん細胞を問わず殺細胞性に作用する薬剤(殺細胞性抗がん薬)と,②がん細胞に特有あるいは過剰発現した遺伝子や蛋白をターゲットとした分子標的治療薬の2種類がある。①,②いずれも全身的な治療として単独あるいは併用で使用されるが,有害事象(副作用)が高頻度にみられ,時に強い副作用のため治療中止,場合によっては死に至ることがある。
「KEY WORD」アントラサイクリン系薬剤,doxorubicin

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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