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特集 肺高血圧症と右心機能

トピック 肺高血圧症に伴う重症右心不全に対する最後の一手としての抗癌剤ソラフェニブ治療の有効性

Sorafenib as a potential therapeutic strategy for refractory pulmonary arterial hypertension

片岡雅晴

CARDIAC PRACTICE Vol.26 No.2, 47-50, 2015

「はじめに」特発性肺動脈性肺高血圧症や肺静脈閉塞症などを含む肺高血圧症は,稀ではあるが生命予後不良の疾患である。治療法としては,プロスタサイクリン製剤やエンドセリン受容体拮抗薬およびフォスフォジエステラーゼ-5阻害剤といったさまざまな治療法が保険適用となり,生命予後は改善されつつある。しかし,各治療薬に反応性があるかないかは患者ごとに異なり,いまだ治療抵抗性で難治性の患者も存在する。一方,ソラフェニブ(ネクサバール®)は,マルチキナーゼ阻害剤として開発され,現在までに腎細胞癌や肝細胞癌においてその治療効果が認められており,抗癌剤としての位置づけを確立している1)2)。しかし,大変興味深いことに,肺高血圧症動物実験モデルでは,ソラフェニブが肺動脈の内皮障害の改善やリモデリング改善により,肺高血圧に対する治療効果を認めることが報告された3)4)。さらに,2010年には,肺高血圧症患者に対するソラフェニブ 200mg/日の投与での安全性や忍容性を調べる試験結果が報告され,忍容性をもって使用可能であるとの報告がされた5)。
「KEY WORD」ソラフェニブ,分子標的治療,抗癌剤,肺高血圧症,右心不全

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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