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巻頭言

ゲノム医療の実装に向けて

春日雅人

The Lipid Vol.27 No.1, 1, 2016

われわれの全ゲノム塩基配列が1,000ドルで決定できる“1,000ドルゲノム”の時代を迎え,英国では2012年に10万人のゲノム配列を解読することを目的としたGenomics Englandを,米国では2015年に100万人以上のゲノム配列を明らかにするPrecision Medicine Initiativeを開始した.わが国でも,2015年1月に健康・医療戦略推進会議の下に「ゲノム医療実現推進協議会」が設置され,ゲノム医療の実現に向けた具体的な取り組みが文部科学省や厚生労働省を中心に計画されている.すなわち,ゲノム研究の成果を医療として患者さんに本格的に還元する時代を迎えたといえる.「ゲノム医療」と「ゲノム研究」では大いに異なる.例えば,ゲノム配列決定に要した費用はだれが負担するのかという問題がある.「研究」であれば研究費から支払われるが,「医療」となると自費か保険者か,そのルールを決定しなければならない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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