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特集 糖尿病の血管合併症

糖尿病と脳血管障害

細見直永松本昌泰

The Lipid Vol.23 No.2, 71-80, 2012

[Summary]生活習慣の欧米化により糖尿病, 脂質異常症などの代謝性危険因子の有病者が増加し, これに伴ってアテローム性動脈硬化を基盤とした脳梗塞の発症が増加しつつある. さらに, 超高齢化社会を迎えることもあり脳卒中患者は激増していくことが予想され, その発症予防はきわめて重要である. また, 脳梗塞患者は従来考えられていた以上に, 糖尿病(耐糖能障害を含む)を合併していることが明らかとなり, 再発予防の観点から糖尿病の積極的評価, 早期治療介入を常に考慮する必要がある. 糖尿病に合併した脳梗塞や一過性脳虚血発作の予防には, 糖尿病に対する血糖コントロール強化療法よりも, 合併した高血圧や脂質異常症に対する降圧治療やスタチン療法が効果的である. 糖尿病に対する治療としてはインスリン抵抗性改善薬であるチアゾリジン療法により脳卒中再発の予防効果が確認されている. 脳出血に関しては, 糖尿病は危険因子としての関与が低いと考えられてきたが, 最近のメタアナリシスにより, 糖尿病患者では脳出血発症頻度が高いことが報告された.
「Key Words」糖尿病,脳梗塞,脳出血

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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