特集 インスリン分泌促進薬の現状と新たな展望
インスリン分泌促進薬のエビデンス
Diabetes Frontier Vol.25 No.5, 576-581, 2014
「はじめに」インスリン分泌促進薬にはスルホニル尿素(SU)薬,グリニド系薬,DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬,GLP-1(glucagon-like peptide-1)アナログがあるが,糖尿病の治療歴史上は十数年前まではSU薬の檜舞台であった。本稿では各薬物の血管合併症に対するエビデンス(表1)を中心にレビューする。
「Ⅰ.SU薬 1 大血管症予防効果」SU薬は約60年前に発売され,現在まで大血管症の予防効果を示唆するエビデンスが蓄積している。しかし,まず注意しなければならないのは,SU薬による大血管症予防効果に関するエビデンスのほとんどは観察研究で得られたものであるということである。ランダム化比較試験(RCT)で「実証」されてはいないため,その効果は「示唆」されたものに留まることに気をつけて解釈する必要がある。
「key words」スルホニル尿素薬/グリニド系薬/DPP-4阻害薬/GLP-1アナログ/ランダム化比較試験
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