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特集 インスリン分泌促進薬の現状と新たな展望

インスリン分泌促進薬の血糖改善効果

野見山崇柳瀬敏彦

Diabetes Frontier Vol.25 No.5, 563-568, 2014

「はじめに」糖尿病とは“インスリン作用不足による慢性高血糖状態を主徴とする代謝疾患群”と定義づけられ,糖尿病と診断される10年以上前から膵β細胞は負荷もしくは障害を受けていることが知られている1)。インスリン抵抗性に伴いインスリン需要量が増すと,膵β細胞はそれを代償するだけのインスリンを必死に出し続ける。しかし,長期にわたる負荷に耐えられなくなると,食後のインスリン分泌能低下に伴う食後高血糖が出現し,次第に空腹時の血糖上昇も引き起こし糖尿病の診断に至る1)。しかるに,インスリン分泌不全は糖尿病発症の最も重要な病態であり,インスリン分泌能を改善することは,糖尿病の中心病態を治療することに他ならない。本稿ではインスリン分泌促進薬のインスリン分泌機序やパターンの違いからくる,血糖降下作用の違いを中心にそれぞれの薬剤特性を検討してみたい。
「key words」インスリン/グルカゴン/SU受容体/インクレチン/低血糖

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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