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特集 インクレチン関連薬の多面的作用の理解に向けて

GLP-1の門脈シグナルを介した作用

西澤誠中川淳中林肇

Diabetes Frontier Vol.24 No.3, 270-275, 2013

「はじめに」インクレチン関連薬は, 糖尿病治療における優れた血糖改善効果により処方量は急速に伸びている. しかし, その作用および長期的な副作用についてはいまだ不明な点が多く残されている. DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬とGLP-1(glucagon-like peptide-1)アナログ薬の治療効果を比較すると, 一般的には後者がよりHbA1cを低下させる. しかし, 投与時のGLP-1の血中濃度は前者で食後生理的濃度の2~3倍の上昇と報告されるのに対し, 後者では6~8倍程度の高濃度になると換算される. この点を考慮すると, DPP-4阻害薬は想定される以上の治療効果をもたらしているともいえる. 両者の作用機序ついては, 前者が消化管から分泌される内因性のGLP-1およびGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)の血中濃度上昇に依存するのに対し, 後者では皮下注射で投与したGLP-1誘導体が吸収され全身血中の濃度が高まることによる.
「key words」GLP-1,neuroincretin,迷走神経活動,門脈シグナル,DPP-4阻害薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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