特集 私が経験した大震災からみた糖尿病対策への提言
東日本大震災の経験から Ⅲ 岩手県の経験から(2)大槌病院での2週間を経験して思うこと
Diabetes Frontier Vol.23 No.2, 146-149, 2012
「はじめに」 私は震災の日, 盛岡にいた. ラジオで震災を聞き急いで大槌へ向かったが, 当日は釜石までしか行けず, 翌12日昼よりに大槌へ入った. 大槌の町は津波で破壊され, 泥と瓦礫に埋もれ, 開業医診療所・調剤薬局・町役場・消防署・警察・郵便局・ショッピングセンター・スーパー・ガソリンスタンド・タクシー会社といった施設はすべて破壊されていた. 大槌病院は2階まで浸水し, 検査機器・薬品・給食設備は使用不能であったが, 職員・患者さん方は共に3階にいて無事であった. 高圧線鉄塔・電柱は倒れ, 電気は来ず, 水道・下水といった設備も使用不能で, 暖房がない所に雪が降るという非常に寒い状況であった. そのような中で診療を開始し, 13日午後より高台にある大槌高校へ移動し, 25日まで診療をした(図). 「I. 支援について」 私たちはさまざまな支援を受けた. 岩手県からの支援, さまざまな医療チーム・団体の来訪支援があった.
「key words」東日本大震災,支援,通信,お薬手帳
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。