糖尿病と救急医療
小児1型糖尿病の急性期治療
Diabetes Frontier Vol.22 No.6, 616-623, 2011
はじめに
1型糖尿病の糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis:DKA)の治療はその状態によって大きく変わる。初発時はDKAの治療も重要であるが,病気の受け入れに対しても十分な配慮が必要となってくる。本稿では,DKAの対応だけでなく,初発時の病気の受け入れに関しても,当施設で行っている初発時の対応の話を交えながら進めていきたい。
key words
糖尿病性ケトアシドーシス/ケトン血症/脳浮腫/シックデイ/高血糖
Ⅰ.DKAの病態生理
DKAは血中インスリンの欠乏と,上昇した拮抗ホルモン(カテコラミン,グルカゴンなど)の作用によって生じる。1型糖尿病患者におけるインスリン欠乏の多くは,故意または不注意によるインスリンの中断である。小児におけるDKAの病態生理を図1 1)に示す。
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。