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基礎講座 糖尿病関連細胞小器官(organella)の基礎知識

核:転写因子の核内輸送と糖代謝調節

―膵β細胞を中心に―

金藤秀明松岡孝昭河盛段松久宗英

Diabetes Frontier Vol.20 No.2, 229-233, 2009

「はじめに」2型糖尿病の発症には遺伝素因と環境因子が関与するが, それらが揃ったからといって, 即座に著しい高血糖を伴う糖尿病に進展するわけではなく, 当初は食後に, そして進展すると常時認められるようになる高血糖は, 元より存在するインスリン分泌不全やインスリン抵抗性を悪化させ, 高血糖の遷延化, 重篤化を招く. こうした現象は「ブドウ糖毒性」と呼ばれ, 臨床的にも広く知られている(図1). 酸化ストレスさらにその下流のc-Jun N-terminal kinase(JNK)経路の活性化は種々の細胞に対して機能異常や細胞死を引き起こし, 動脈硬化や癌などさまざまな病態の発症, 進展に関与することが知られているが, 糖尿病状態においてしばしば認められる「膵β細胞ブドウ糖毒性」にも酸化ストレスさらにJNK経路の活性化が関与していることが明らかとなってきている. すなわち, 高血糖状態においては膵β細胞内に酸化ストレスが惹起されて, インスリン遺伝子発現などを低下させること, またそのメカニズムにJNK経路の活性化, 膵β細胞内のインスリンシグナルの変化が関与していること, さらにこれらを抑制することによってインスリン遺伝子発現低下, 膵β細胞機能障害が軽減することが明らかとなってきている.

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