疼痛緩和に必要な画像検査とそのタイミング
がん患者の痛み=がん性疼痛とは限らない
がん患者と対症療法 Vol.27 No.1, 60-63, 2018
がんの患者を診ているときに“がん性疼痛”の管理について意識し,知識をアップデートしていくことは必須のことである。がん患者が経験する苦痛のうち,このがん性疼痛を適切に管理することは特に重要である。それができなければ患者の生活の質(QOL)は著しく低下し,また周囲で付き添っている家族も身を割かれるような苦痛を経験する。逆に適切な疼痛緩和を行うことで,それまでベッド上で寝たきりだった患者が活気を取り戻し,また歩き出すということもしばしば経験する。
しかし,そのように重要ながん性疼痛であるからこそ,それを念頭に置くあまりに診断を失敗するという場合もまた経験する。今回取り上げる症例は,医師ががん性疼痛についての思い込みから画像診断のタイミングを逸してしまった例である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。