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特集 生活習慣病と骨粗鬆症 ―最新の基礎研究と臨床のトピック―

Ⅱ.生活習慣病の骨粗鬆症への影響 3.慢性閉塞性肺疾患

渡部玲子井上大輔

THE BONE Vol.31 No.4, 57-61, 2018

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は,肺の炎症のみならず,さまざまな併存症をもつ全身性疾患である.骨粗鬆症はその代表的な併存症の一つであり,COPDでは高率に椎体骨折を合併する.その病態はいまだ明らかになっていないが,骨密度が比較的維持された早期の段階から骨脆弱性を呈することから,骨密度とともに骨質の関与が示唆される.COPD関連骨粗鬆症に対する適切な治療介入は,ADLや呼吸機能の維持に重要と考えられる.一方,COPD関連骨粗鬆症の認知度が低いことも大きな課題である.今後は病態の解明とともに,医療者の幅広い知識の共有が必要である.
「KEY WORDS」慢性閉塞性肺疾患,骨密度,TBS,ビタミンD

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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