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骨・軟骨研究の基礎と臨床

基礎編 骨基質研究の現況と展望

西村理行

THE BONE Vol.22 No.3, 31-35, 2008

骨および軟骨は, 細胞成分には乏しいが, 細胞外基質を非常に豊富に含む組織である. これゆえ, 生化学的手法に馴染みやすい骨基質に関する研究は, 骨代謝研究の初期から盛んに行われてきた. たとえば, コラーゲンやプロテオグリカンは, その代表選手であり, 骨代謝研究の中でも, 多くの知見が積み重ねられてきた研究デーマである. しかし近年, 遺伝子改変マウスを用いた研究により, 骨基質の新しい生物学的機能が明らかになりつつある. また, 分子生物学を活用したアプローチによる, 骨基質研究の新しい展開が繰り広げられつつある. 「はじめに」骨基質は, 骨および軟骨組織の構成や保護, 成長や発育, 骨リモデリング, 石灰化の制御, メカニカルストレスへの応答などさまざまな役割を担っている. また骨基質は, 骨および軟骨に剛性としなやかさを与えている. さらに骨基質は, 骨芽細胞, 破骨細胞, 軟骨細胞をはじめとする骨格系細胞のみならず, 免疫系細胞, 血液系細胞, 脂肪細胞, 血管系細胞など非骨格系細胞が活躍する足場としても機能している. そこで本稿では, これら多彩な骨基質について概説するとともに, 骨組織研究の新機軸についても考察したい.

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