特集 高齢妊娠・出産の現状と課題
遺伝カウンセリング,出生前検査
Pharma Medica Vol.38 No.6, 41-46, 2020
女性の高学歴化,社会進出,晩婚により挙児を希望する女性は年々高齢化している一方,生殖補助医療の進歩がかつては少なかった高齢妊娠を可能にしている。高齢妊娠の増加に伴い,児に染色体異常が起こる可能性が上昇することに対して不安を抱き,出生前検査を希望するカップルが増えているが,なかにはさまざまな情報によって混乱していたり,検査に過度の期待を抱いていることがある。そのため,出生前検査を希望する場合には,検査情報の提供のみに終始するのではなく,それぞれのカップルが抱える不安に寄り添い,気持ちを整理し,自律的な決定や方針を支援する遺伝カウンセリングが必須となる。本稿ではまず,数的変化による染色体異常に関する出生前検査について言及するとともに,当院で行っている遺伝カウンセリングについて紹介する。
「KEY WORDS」NIPT,遺伝カウンセリング,出生前検査
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