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特集 間質性肺炎診療の今・未来

Ⅱ 合併症の対応 肺気腫(気腫合併肺線維症)

長 敬翁熊本 牧子山本 佳史室 繁郎

Pharma Medica Vol.38 No.3, 37-41, 2020

胸部CTの普及に伴って,肺気腫と肺線維症を合併した症例が広く認知されるようになった。1990年にWigginsらはこれらの症例の特徴として,呼吸機能検査では閉塞性障害も拘束性障害もなく一見正常所見もしくは軽度の異常のみを呈するが,肺拡散能(diffusing capacity of lung for carbon monoxide:DLCO)が著しく低下しており,高度の労作時呼吸困難を自覚すると報告した1)。わが国でも1991年に同様の病態を,間質性肺炎の非典型例(B群)として認識し別項で取り扱っていたが,2005年にCottinらが,combined pulmonary fibrosis and emphysema(CPFE)という疾患概念として提唱したことをきっかけに,この疾患はにわかに注目を集めるようになった2)。本稿では,CPFEの現状での知見について概説する。
「KEY WORDS」CPFE,肺気腫,間質性肺炎,呼吸機能検査正常

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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