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特集 間質性肺炎診療の今・未来

Ⅰ 特発性間質性肺炎の診療 疫学

千葉 弘文

Pharma Medica Vol.38 No.3, 9-12, 2020

原因不明な間質性肺炎の総称である特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs),そのなかでも患者数が多く予後不良な特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)の実態把握は重要な課題である。IPFは基礎的研究において細胞老化やテロメアの短縮など老化に関連する発症機構が示されており,社会構造の高齢化が進む諸国において,発症率の増加が報告されている。また,IPFは従来,確立した治療法のない難病であり,日本人における疫学調査の結果では,診断後の生存中央値が35ヵ月ときわめて予後不良な疾患であった。しかし,現在は抗線維化薬(ピルフェニドンとニンテダニブ)の登場により,その状況も変わりつつある。抗線維化薬登場後の新たな実態の把握も重要となる。
「KEY WORDS」特発性間質性肺炎(IIPs),特発性肺線維症(IPF),疫学,分類,人種間差

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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