特集 腰痛診療perspective
Ⅱ 腰痛診療 ③慢性腰痛に対する集学的治療
Pharma Medica Vol.38 No.1, 33-37, 2020
腰痛は男性では最も多い,女性では肩こりに次いで多い症状であり,難治化する例も少なくない。非特異的腰痛の臨床経過を研究したレビューでは,1年後に腰痛が残存していた患者は65%であり大部分の患者が自然回復しないと報告している1)。このように腰痛が慢性化する原因の1つに,腰痛にはさまざまな病態が存在していることが挙げられる。たとえば,facet painとdiscogenic painのように,器質的な要因であったとしても,複合的に組み合わさっている患者が存在する。さらに,腰痛の慢性化,再燃の危険因子として,うつ状態,交通事故後の発症,低い教育レベルなど2)-5)の存在や,仕事の満足度の低さが腰痛と関連することを報告した論文6)の存在があるなど,背景ともなる心理社会的要因も多様である。
「KEY WORDS」慢性腰痛,集学的治療,多職種連携
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。