特集 膵癌への挑戦
膵IPMNの経過観察
Pharma Medica Vol.35 No.1, 13-18, 2017
膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm;IPMN)に関して,2006年に国際診療ガイドライン(GL 2006)1)が,2012年に改訂版(GL 2012)2)が出版された。それによりIPMNは画像所見から主膵管型,分枝型,混合型の3つに分類され,“worrisome features(WF)”,“high-risk stigmata(HRS)”が悪性度の指標とされることで,手術適応と経過観察法に一定の指針が示された。
またIPMNを有する膵は,IPMN自体の悪性化だけでなく通常型膵癌(pancreatic ductal adenocarcinoma;PDAC)の併存のリスクが高いことがわが国から報告され3),IPMNの経過観察時はその病変自体の癌化だけでなくPDACに対しての注意が必要となった。
しかし,その適切な画像診断法や経過観察の間隔に定められたものはない。
本稿では,IPMNの経過観察法における諸問題について概説する。
「KEY WORDS」IPMN,経過観察,併存膵癌,ノモグラム
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