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特集 遺伝子治療の現在

免疫不全症・白質ジストロフィーに対する造血幹細胞遺伝子治療

Stem cell gene therapy for primary immunodeficiency and leukodystrophy.

小野寺雅史

Pharma Medica Vol.33 No.4, 23-29, 2015

「はじめに」本来,理想的な遺伝子治療は疾患の原因となる変異遺伝子を遺伝子レベルで修復し(gene correction),疾患の治癒を目指すものであろうが,現在の遺伝子改変技術は特異性や効率の面から臨床で応用できるほど成熟しておらず,現行の遺伝子治療は変異遺伝子をそのままにウイルスベクターなどを用いて正常遺伝子を患者細胞に加え(gene addition),臨床症状の改善を図るに留まっている(図A)。ただ,幸運なことに,小児難治性疾患の多くが単一遺伝子の異常により発症する単一遺伝病であり,さらにその遺伝形式が劣性遺伝であることから,このgene additionによる遺伝子治療でも十分な治療効果が期待できる。事実,これまでの遺伝子治療の有効性は原発性免疫不全症や先天代謝異常症などの小児遺伝性疾患からもたらされている。さて,遺伝子治療は基本的に遺伝子を導入する場所によって二分され,これには,直接遺伝子を体内に投与するin vivo遺伝子治療と,いったん患者細胞を体外に取り出し,そこで遺伝子を導入し再び患者に投与するex vivo遺伝子治療とがある(図B)。
「KEY WORDS」造血幹細胞移植,ex vivo遺伝子治療,ウイルスベクター,ブスルファン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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