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野巫医のたわごと

(177)骨粗鬆症(2)―治療(1)

前田貞亮

Pharma Medica Vol.33 No.2, 78-79, 2015

骨粗鬆症(以下,「骨そ」)の治療の目的は,骨折を予防して骨格の健康を維持することである。そのためには骨強度を上げることが中心になる。嘗て教えられた様に,単に骨密度(骨強度の70%を占めるものではあるが)を上げればよいものではない。むしろ骨強度ではその30%を占める骨質が重要である。骨質の内容は前号で述べたが,骨代謝回転に始まり,微細構造,石灰化,そして微小骨折の存在が大切な内容である。「骨そ」の骨折と骨密度とは,昔考えられていた程には強い相関があるわけではないことがわかってきた。医学上も,社会生活上も,骨折を起こさぬ様にすべく,「骨そ」に対して指導を含めて治療を行うことが重要である。骨代謝回転の本態が明らかになってきたことで,「骨そ」と診断されて治療を始めるにあたり,先ず破骨細胞の余分な働きを抑えることが挙げられる。そのための治療薬はビスホスホネート薬(以下,BP),ビタミンD 製剤である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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