野巫医のたわごと
(161)さんま(秋刀魚)
Pharma Medica Vol.31 No.10, 160-161, 2013
秋はサンマである. 落語に出てくる殿様ではないが, あの長やかな, 黒やかなものだけではない, 刺身の旨さも亦格別である. 今年は海水温が高く, サンマの水揚げが遅れているというが, それでも9月の初め東京・目黒駅前で恒例のさんま祭りがあり, 三陸気仙沼のサンマが登場した. 然し今年は何時になく不漁で, さんま祭りギリギリに水揚げされたという. 近年, サンマは高級魚になりつつある. サンマは栄養価の高い魚である. 生肉100g当たり310キロカロリー(以下, 単位略)で, これを上回る一般的な魚はマグロの脂身344で, 赤身は122, マイワシ217で, 白身の魚イサキは127である. 蛋白質は18.5gでマグロの赤身20.4, 脂身20.1, イワシの19.8の各gにやや劣るが, 立派な食品であることは間違いない. いうまでもなくサンマはサンマ科の海産の硬骨魚, 全長40cm位で細長い. 刀の形に似ているので秋刀魚と書く.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。