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特集 IBD診療の現在

炎症性腸疾患に対する分子標的製剤と粘膜修復

伊藤裕章

Pharma Medica Vol.30 No.9, 23-27, 2012

「はじめに」分子標的製剤(抗TNF-α抗体)は炎症性腸疾患の自然史を変えつつある. しかしこの高い治療目標を達成するためには, 主観的な症状の寛解だけでは不十分で, 粘膜治癒(内視鏡的治癒)という客観的な目標の達成が必要であることがわかってきた. 粘膜治癒を達成した患者は持続的な臨床的寛解が得られ, 入院や手術を減少させることができる. 潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis; UC)は炎症が粘膜に限局しているので, 粘膜治癒は究極の治療目標といえるが, クローン病(Crohn's disease; CD)は壁全層性の炎症なので, 粘膜治癒は最小限の目標といえるかもしれない. ただ, 粘膜治癒という目標は抗TNF-α抗体の登場以前には高すぎる目標であったし, 今も決して低い目標ではない. 粘膜治癒の重要性は疑いようがないと思われるが, どのように臨床に応用するのかはまだこれからの問題である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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