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わが国におけるインクレチンとグルカゴン研究―その源流を訪ねて―

(特別インタビュー)GIP研究の成果と展望

International Review of Diabetes Vol.3 No.1, 74-79, 2011

清野裕

インクレチン研究へ―背景と経緯―
 消化管にあるシグナルが血糖降下作用を持つという概念は非常に古くからあり,インスリン発見以前の20世紀初頭に,ブタ十二指腸粘膜抽出物の投与による糖尿病の改善が報告されている.1932年にはLa Barreによってその因子は“incretin”と命名された.その後1964年にMcIntyreらによって,静注および腸内注入による同量のグルコース負荷で,血糖上昇に対するインスリン反応に差がみられることが報告された1, 2
 こうした研究をきっかけに,この概念は“entero- insular axis”として改めて注目され,世界的に研究が活発化した.1960年代はradioimmunoassay(RIA)が確立され,各種ホルモンの研究が盛んになった時代で,私は京都大学第二内科で井村裕夫先生の指導のもと,様々なホルモンの測定に携っていた.当時,我々も“entero-insular axis”の候補物質として,セクレチン,ガストリン,CCK等の消化管ホルモンを注射し,インスリン分泌が若干促進されるというデータを得ていた.しかし,それらのホルモンの精製技術は低いものだった.その後,精製技術が向上し,純度が高いものを得られるようになったが,それらを注射してもインスリン分泌はあまり促進されなかった.グルカゴンもインスリン分泌を促進するとされていたが,消化管から分泌されるという考えはまだなかった.

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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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