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癌患者における栄養ケアの実際

胆・膵癌患者の栄養ケアの実際

栄養-評価と治療 Vol.26 No.3, 62-68, 2009

木村理水谷雅臣高須直樹村山最二郎

「SUMMARY」 本稿では, 胆・膵癌について2つの視点から論じる. この部の臓器特異性を視点においた栄養障害と, 手術の特徴からくる周術期の栄養である. すなわち胆・膵の癌を有する患者は高頻度に閉塞性黄疸を伴い, また下痢を伴うこともある. 胆・膵癌患者の周術期における栄養ケアについては, 中等度ないし高度の栄養不良の症例に対して栄養療法を施行し, 可及的に腸管を使った栄養管理をしていくということである. 体外に胆汁を排出する経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)の場合は, 患者には可能なかぎり体外に誘導された胆汁を飲用させ, 胆汁を消化管に戻すようにする. 膵頭部領域癌の場合には膵液の消化管への流出が低下し, 消化吸収が十分に行われていないことが多いため, 術前には低脂肪食を摂取させるようにする. 下痢が高度な場合には十分な水分補給や, 膵消化酵素剤の投与が必要である. 経口摂取が不十分な場合は経静脈栄養を付加し, 適切なエネルギー摂取ができるようにする. 術前の耐糖能は空腹時血糖100~150mg/dl, 1日尿糖は10g以下に管理する. 術前の免疫栄養(immunonutrition)剤投与も考慮する. 膵頭部領域癌における膵頭十二指腸切除術では, われわれの方法では早期に摂食が可能であるため, 腸瘻は必要としない. また, 神経叢もすべての断端を病理学的に検索しながら行うため, 左側の上腸間膜動脈神経叢が温存されることが多い. したがって術後の難治性の下痢は皆無である. 一定の手術死亡の見込まれる難手術ではそのような栄養を考えた術式を常に念頭に置いた再建方法を考慮することが重要である.

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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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