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Catch Up 分子生物学

低酸素環境に応答する癌細胞のメカニズム

大腸がんperspective Vol.3 No.2, 46-50, 2016

河合賢二植村守土岐祐一郎森正樹

[テーマ文献①]Wu L, Yu H, Zhao Y, et al. HIF-2α mediates hypoxia-induced LIF expression in human colorectal cancer cells. Oncotarget. 2015 Feb 28;6(6):4406-17.
[テーマ文献②]Shen J, Xia W, Khotskaya YB, et al. EGFR modulates microRNA maturation in response to hypoxia through phosphorylation of AGO2.Nature. 2013 May 16;497(7449):383-7.

「Summary」癌細胞は正常細胞とは異なる環境下に存在しており,その一つに低酸素環境があげられる。また,低酸素は癌の悪性度と関連していることが知られており,低酸素への応答が癌の浸潤・転移,抗がん剤・放射線への治療抵抗性に関与していることがわかっている。癌の低酸素環境に中心的な役割を果たしている因子として転写因子HIF(hypoxia-induced factor)が知られている。Wuらは,大腸癌細胞株を用いた実験で,白血病阻害因子(leukemia inhibitory factor;LIF)の低酸素による発現亢進は,HIF-2αに依存しているということを示した。さらに,臨床サンプルの免疫染色でもHIF-2αとLIFとの発現量の相関性を示した。また,Shenらは,EGFRが,低酸素への応答の際に特定の腫瘍抑制因子様マイクロRNA(miRNA)の成熟を抑制することを示しており,miRNAは低酸素環境下における癌細胞の代謝変化と関連しているとして注目されている。癌と低酸素は古くからあるテーマであるが,まだ解明されていない部分も多く,今後も重要な研究課題である。
「Key words」大腸癌,低酸素,HIF,miRNA


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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