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Theme 新世代の分子標的治療

新世代の分子標的治療 急性白血病

がん分子標的治療 Vol.15 No.3, 10-14, 2017

南陽介山内寛彦

急性骨髄性白血病(AML)において,従来の抗がん剤やキナーゼ阻害薬に対する耐性・残存の観点から,白血病幹細胞(LSC)の存在が注目されている。LSCを標的とした治療戦略においては正常造血幹細胞といかに差別化を図るかが問題となるが,LSCにおける特異的な発現に着目して,TIM-3やHCKなどの分子に対する標的治療の開発が進められている。一方,幹細胞シグナルの阻害というコンセプトに基づき,ヘッジホッグ(Hh)シグナル阻害薬などの臨床試験が開始されており,有望な結果も出つつある。
従来型抗がん剤は殺細胞効果を指標に開発が進められ,のちに細胞周期関連分子を標的としていることが明らかになっているが,分子標的薬は,特定の分子を標的として開発された医薬品であり,創薬の段階から分子レベルの標的を定めている点が特徴である。耐性メカニズムと克服方法が研究され,そのなかで併用療法も開発されてきた。標的分子そのものの量的あるいは質的変化が標的治療における耐性メカニズムとして重要であるが,細胞環境や腫瘍細胞における不均一性,細胞死の実行段階における耐性など,従来型抗がん剤と共通するメカニズムも存在し,臨床的にはこれらが共存・協調しつつ,治癒への道を妨げている。白血病標的治療への耐性メカニズムの研究と併用療法を含む克服治療の開発は,今日的な課題であるとともに新たな薬剤開発シーズを生んでいる。
「KEY WORDS」白血病幹細胞/急性骨髄性白血病/免疫チェックポイント阻害/ヘッジホッグ/SMO阻害薬


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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