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Theme 新しい分子標的

各臓器がんの新しい分子標的 乳がん

がん分子標的治療 Vol.14 No.4, 45-49, 2016

河知あすか田村研治

遺伝子解析技術の躍進に伴い,治療標的となる遺伝子変異の有無や薬剤抵抗性の機序などが明らかになってきた。これまで乳がん治療の中心となってきたホルモン療法,抗ヒト上皮成長因子受容体(HER)2療法,殺細胞性抗がん剤に加えて,新たな薬剤が加わる可能性が出てきた。
ホルモン受容体陽性乳がんでは,ホルモン療法に対する抵抗性の機序により,PI3K/AKT/mTOR阻害薬,サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬,ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬の開発が進んでいる。既存のホルモン療法に上乗せすることで,無増悪生存期間(PFS)の延長が示されている。
またトリプルネガティブ乳がん(TNBC)ではその他のサブタイプと比較して,免疫療法のバイオマーカーとなりうるprogrammed death-1 ligand(PD-L)1の発現率が高くリンパ球の浸潤を多く認めるサブセットがあり,免疫療法の開発が進んでいる。BRCA 変異陽性例では,PARP阻害薬の有効性が検証されている。
今後,治療選択肢が増えた際に,どういった集団を対象にどのラインで薬剤を使用していくかが問題となってくる。副作用のプロファイルの観点や,治療の目標などを考慮しながら治療を選択する必要がある。
「KEY WORDS」ホルモン受容体陽性乳がん,トリプルネガティブ乳がん,PI3K/AKT/mTOR阻害薬,免疫療法,PARP阻害薬


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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