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Theme 分子標的薬を用いた周術期治療

切除可能腎がんを対象とした分子標的治療
Molecular targeted drugs for resectable renal cell carcinoma

がん分子標的治療 Vol.14 No.2, 35-40, 2016

杉元幹史筧善行

「SUMMARY」転移のない局所進行性腎がん(RCC)に対して,強い腫瘍縮小効果をもつ分子標的薬を術前に投与することの意義と妥当性を検討する。術前に腫瘍を縮小させることによって,手術侵襲の低減や安全性の向上,切除不能症例の一部も切除可能となることが期待される。さらに,腎機能低下症例や単腎症例に対して腎全摘を回避し部分切除が可能になれば,腎機能の温存が図れる。薬剤としては,アキシチニブおよびパゾパニブは近接効果が比較的大きく,期待できる。しかし,下大静脈腫瘍塞栓に対する効果は限定的であり,臨床的有用性はさほど高くないものと推測される。一方,分子標的薬により創傷治癒の遅延や出血量の増加といった周術期合併症の発生率が高くなる危険性も示唆されている。また,効果が低い場合には手術までの期間が延長することにより,術前投与中に病勢が進行する可能性がある。このような不利益も十分に考慮しなければならない。残念ながら,現段階では切除可能RCCに対する術前投与の臨床試験は後ろ向き試験あるいは少数の前向き試験のみで,エビデンスレベルは高くない。今後は大規模な前向き試験によって,使用薬剤や投与方法の確立,さらには適応症例の選別や効果予測のバイオマーカーなどを明らかにしていく必要がある。加えて,術前投与の無病非再発率や全生存率への長期的な効果についても検証する必要がある。
「KEY WORDS」腎がん,術前投与,分子標的薬,下大静脈腫瘍塞栓,腎部分切除術


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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