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エイジングサイエンス

第52回 オートファジーは,若齢または高齢幹細胞の代謝と機能を維持している

アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.5, 106-107, 2017

森慶太柳田素子

造血幹細胞(hematopoietic stem cell:HSC)は,血球の維持に関して自己複製とすべての血球への分化の機能を担う。加齢は血球分化能を維持する一方で,HSCの自己複製能を低下させる。オートファジーは,HSCにおいて血球系の発生,HSCの運動能,耐ストレス能などにおいて重要な役割を果たすことが知られている。そこで,加齢時のHSC におけるオートファジーの役割についての検討がなされた。
まず,poly(I:C)投与により造血幹細胞のオートファジーを欠失できるAtg12flox/floxMx1-CreAtg12cKO )マウスを用い,若齢マウスのHSCのオートファジーを欠失させたが,貧血やリンパ球低下症をきたさなかった。むしろ,末梢血の細胞数は増加し,特に骨髄系由来の細胞の増加がみられ,高齢マウスと似たパターンを呈することが確認された。さらに,Atg12cKO マウスから野生型マウスにHSC移植を施行すると,コントロールマウスからの移植に比べて定着が有意に不良であることが確認された。つまり,オートファジーの消失がHSCの自己複製能を低下させることが確認された。


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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