category13.gif


特集 細胞老化update

ステムセルエイジングの特徴とメカニズム

アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.4, 37-42, 2017

小林央田久保圭誉

多細胞生物は,機能分化した組織・臓器が協調することで,生涯にわたる個体の恒常性を維持している。組織幹細胞は,自己複製能および分化能を有する細胞で,多くの組織・臓器の維持に重要な役割を果たしている。細胞回転の速い皮膚や消化管などの上皮組織,造血器,精巣などは,組織幹細胞が定常的に分化細胞を生み出し続けることで,その機能を維持している。また,肝臓や筋肉,結合織など通常は細胞分裂が活発でない組織も,損傷時には幹細胞が分裂・分化することで組織再生が行われる。老化に伴ってあらゆる臓器の機能の低下と再生能力の低下が認められることを考えると,幹細胞そのものの機能が加齢によって変化していくことは想像に難くない。加えて,悪性腫瘍の多くが組織幹細胞由来であることが明らかにされつつあり,発がんのメカニズムと幹細胞の加齢変化にも密接な関係があると考えられている。実際,組織幹細胞は加齢により機能が変化していくことが明らかとなってきた。本稿では,近年明らかになった組織幹細胞システムの加齢変化(ステムセルエイジング)の特徴とメカニズムについて,それがどのように個体レベルの老化と関連しているのかを概観する。
「KEY WORDS」幹細胞,ステムセルエイジング,造血幹細胞,毛包幹細胞,腸管幹細胞


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

【PR広告】

診療ガイドライン UP-TO-DATE 掲載開始

【PR広告】

目次から記事を探す