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特集 免疫老化とアンチエイジング

免疫老化とがん免疫

アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.3, 56-62, 2017

塚本博丈

生体にはがんの発生を抑制するさまざなメカニズムが備わっている。細胞は,がん化を引き起こす過度な増殖応答,DNA損傷,がん遺伝子の活性化などのストレスに曝された場合,細胞老化(cellular senescence)により自律的に細胞周期を停止させたり,アポトーシスを誘導して自らを殺すことで,自身のがん化を制御している。これらは細胞が内在性にもつがん抑制機構である。一方,本来外来異物の排除を担う免疫システムは,それを構成するさまざまな細胞が連携して,(前)がん細胞の排除にも寄与している。免疫担当細胞を欠失するマウスや,免疫不全を誘導する感染症患者では,がんの罹患率が上がることから,免疫担当細胞は臨床的に検出される前段階でがん細胞を感知し,それを傷害すると考えられる。つまり,免疫システムは個体レベルでのがん抑制機構として機能する。
加齢に伴ってがんの罹患率(発生率)は上昇するが,その理由として,がん化を誘導するダメージが時間経過とともに蓄積することが大きな要因であることは,容易に想像される。さらに,がんに対する免疫監視機構が個体老化により減弱することが要因として示唆され,免疫システムの機能低下により腫瘍増生を抑えることができず,死亡率が上昇すると考えられている。本稿では,がんに対する免疫応答における,加齢に伴う免疫システムの機能低下;免疫老化の影響を,筆者の検討結果と合わせて概説したい。
「KEY WORDS」個体老化,抗腫瘍免疫応答,加齢随伴炎症,T細胞,がん免疫療法


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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