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目でみる血管障害

大動脈瘤の力学的考察

Angiology Frontier Vol.15 No.1, 1-5, 2016

保科克行

「はじめに」大動脈瘤は,拡大すると最終的には破裂というカタストロフに陥るが,そこに至るプロセスには力学的因子が大きく関与していることは確かである。しかし,どの因子がどのような比率で,どのような役割を果たしているかに関しては,医学的にはほとんど理解されていない。実際,かつてVascular Surgeryの教科書的な本には「大動脈分岐部から反射した血流が乱流を形成して腹部大動脈瘤拡大に関与する」というようなことがまことしやかに書かれていたこともあり(新しい版ではすでにその記載はない),それは正しくないとの表立った指摘も皆無であったように思う。拡大から破裂には壁にかかる応力が最大の影響因子であり,血流(それが大きな乱流を作ろうとも)自体の壁に対するstress(ずり応力)は,壁応力に比べれば「ケタ違い」に小さいもので「破裂」にはほとんど関係ない。むしろ,壁の内膜や中膜の硬化性変化,リモデリングなどに大きく関与している。


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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