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検尿ノススメ

第56回 ファブリー病におけるmulberry bodyおよびmulberry cellのモニタリングの有用性

Nephrology Frontier Vol.15 No.1, 56-61, 2016

横山貴伊藤康永田智

「はじめに」ファブリー病は,1898年にドイツの皮膚科医であるファブリー1)と英国の皮膚科医アンダーソン2)によって初めて報告されたライソゾーム病の1つである.ライソゾーム酵素の1つであるα-galactosidase A(GLA)が遺伝的に欠損するX連鎖性劣性遺伝形式の先天代謝異常症である.このため,細胞内ライソゾームにおいて加水分解が障害され,globotriaosylceramide(GL-3)などの糖脂質が蓄積する.ファブリー病の小児期の症状は,四肢末端の疼痛,発汗低下,眼症状(渦巻き状の角膜混濁)が認められ,成人期以降には心障害,脳血管障害,腎障害が生じ,臓器不全をきたして死亡することが多い3).小児期~思春期ファブリー病の腎病理所見を検討した報告では,顕性蛋白尿が出現する前において既に糸球体上皮細胞の腫大,胞体の微細空胞状変性や糸球体上皮細胞内にシマウマの皮紋状封入体と表現される沈着物,zebra body(ゼブラ小体)が認められる4).そのため,早期にファブリー病を発見できる検査が必要であり,尿検査におけるmulberry body(桑の実小体)やmulberry cell(桑の実細胞)の検出が,その役割を担うものと考える.


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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