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特集 血栓性微小血管症(TMA)

8.STEC-HUS(志賀毒素産生大腸菌による溶血性尿毒症症候群)

血栓と循環 Vol.24 No.1, 43-47, 2016

芦田明玉井浩

「論文のポイント」
[1]STECの頻度・疫学:わが国では年間3,000~4,000例の感染症例が発生し,そのうち100例前後がHUSを発症する.血清型は感染症例で約60%,HUS症例で約80%がO157であるが,O157以外の血清型STECにも留意すべきである.
[2]STEC-HUSの診断:STEC-HUSの診断にはSTEC感染の証明,確定診断が重要で,糞便よりの直接分離培養や増菌培養による大腸菌の検出・同定と志賀毒素産生試験によるが,検出率,迅速性の問題から他の検査も同時並行で行い診断に努める.
[3]STEC感染による出血性腸炎の段階では輸液と食事療法が主体である.脱水による血管内容積の減少が病態の悪化を引き起こす可能性があり,厳密な水分出納の評価の下,積極的な晶質液の投与を行う.
[4]STEC感染に対する抗菌薬治療はいまだに賛否両論が存在し決着しておらず,今後の詳細な検討が待たれるところである.
[5]STEC-HUS発症後は,輸血,腎代替療法,降圧療法,脳症に対する治療など支持療法を主体とする全身管理を行う.血小板輸血は原則行わず,出血傾向など緊急時に限定する.
「キーワード」志賀毒素産生性大腸菌感染症/溶血性尿毒症症候群/晶質液投与


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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