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医療と哲学

第53回 臨床死生学からみる生と死の問題を取り巻く流れ

THE LUNG perspectives Vol.25 No.1, 100-103, 2017

小山千加代

死学,死生学,臨床死生学という言葉を,現代社会の人々はどれほど承知しておられるであろうか。死を研究テーマとするような学問があるのかと,多くの人は不快になり,目をそらしたくなるのが当たり前のことのように思われる。しかし,昨今は,国のあり方も国同士の関係も,社会政策のあり方も,医療制度も,そして人と人との関係も,「より良く生きること」とは反対に向かいつつあるのではないかと,憂鬱な気持ちになるほど,「ひとつの生命がその生命をまっとうすることに優しくない社会」のありようである。
一方,死という不快な言葉が用いられてはいるが,死学も死生学も臨床死生学も,限りなく「生きることに優しい」眼差しを向け続ける「学」を目指している。私はそのように理解している。死をわきまえているからこそ,生をいきいきと語ることができるとも言えよう。
本稿ではまず,生と死の問題が考えられるようになった経緯と関連学会の成立について述べる。


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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