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特集 呼吸リハビリテーション:サイエンスからみた将来展望

高齢者の運動能力を改善する栄養としての乳脂肪球皮膜の役割

THE LUNG perspectives Vol.24 No.4, 74-78, 2016

下豊留玲太田宣康

生乳は哺乳類新生児の最初で唯一の栄養源であり,その発育,特に運動器である筋骨格系の発達に大きく影響する。筋骨格系に対する生乳の効果は,その水溶性画分に含まれるホエイタンパク質(whey protein)に帰結されることが多いが,これまでに示されているホエイタンパク質の生理機能だけでは必ずしも説明しきれない。最近われわれは,生乳中の脂溶性画分である乳脂肪球皮膜(MFGM)が,マウスの全身持久力や筋力を改善することを見出し,ヒトでは高齢者の敏捷性や虚弱高齢者の歩行能力を向上させることを臨床試験で明らかにした。さらにその作用メカニズムとして,MFGMは神経筋接合部の形成に関わる分子であるDok-7の発現を高めることを見出した。このことは,MFGMが神経筋接合部の形成を促すことにより,運動能力を改善していることを示唆している。このようなMFGMの生理学的重要性を分子レベルで明らかにしていくことにより,栄養や運動介入による神経筋接合部に対するアプローチが加齢に伴う運動器の老化を予防・改善するための有効な選択肢となることが期待される。
「KEY WORDS」運動単位,神経筋接合部,敏捷性,Dok-7,MuSK


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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