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目でみるページ Cardiovascular Pathology

病理でみる心臓の加齢変化

CARDIAC PRACTICE Vol.28 No.2, 7-12, 2017

加藤誠也

本来,加齢(aging)は誕生,成熟,やがて衰弱し死を迎える長い過程を指すため,必ずしもその後半部分に訪れる老化(senescence)とはイコールではないが,現実的にはほぼ同じ意味で用いられる。加齢もしくは老化は,成熟期以降に起こる形態の劣化,機能の衰退であり,個体に内在する死に向かう過程,あるいは種々の臓器,器官の予備能が低下し,死の閾値が低下した状態ともいえる1)。それでは,ヒトはどのようにして老いるのであろうか。古典的な老化学説として1882年にドイツの生物学者Weismannが提唱した擦り切れ説(wear and tear theory)がある2)。老化は成熟ないし生殖という役割を果たした生物が,エントロピーの増加(物理学でいう秩序ある状態から無秩序な状態へ向かうこと)にまかせて細胞が朽ちていくのを待つ自然な過程であり,遺伝子の関与もないとする立場である。疑いなくヒトの死亡率は100%であり,誰もが老い,いつかは死が訪れる。擦り切れ説は今日でも多くの人に受け入れやすい考え方であり,ゆえに老化研究の遅れをもたらした誘因ともいわれているが,その後は内因性,外因性の酸化ストレスなどによる生体分子の損傷が老化を促進するという理論なども展開され,アンチエイジングへの期待にも結びついている1)2)

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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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