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特集 循環器疾患と異所性脂肪

総論

CARDIAC PRACTICE Vol.27 No.4, 15, 2016

佐田政隆

従来,脂肪組織の役割は単に過剰なエネルギーを蓄えることだけだと思われていた。しかし,近年,脂肪細胞が,アディポカインと呼ばれるさまざまなサイトカインを分泌し,健康状態では生体の恒常性維持に働き,メタボリックシンドロームなどの病的状態ではインスリン抵抗性などの病態に関与していることが解明されてきた。従来,脂肪組織は皮下脂肪と内臓脂肪に分類され,肥満に伴う脂肪の蓄積の仕方や,アディポカインの発現パターンに大きな違いがあることが報告されている。
近年の研究によると,余剰なエネルギーは,脂肪組織ばかりでなく,膵臓,肝臓,筋肉,心筋などの細胞内外に脂肪滴として沈着することが明らかとなり,異所性脂肪と呼ばれている。異所性脂肪は,細胞傷害性に働き,慢性炎症の原因となり,インスリン抵抗性,非アルコール性脂肪性肝炎などの肥満関連疾患の病態に重要な役割を担っていることも明らかにされている。また,従来認識されてきた内臓ならびに皮下脂肪組織以外にも脂肪組織は存在して,広義に異所性脂肪と呼ばれている。心臓周囲や血管周囲に脂肪組織が異常に蓄積すると,動脈硬化や不整脈の原因となることが提唱され,現在,注目されている。


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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