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特集 糖尿病と感染症

【各論】4.糖尿病と結核

Diabetes Frontier Vol.28 No.4, 417-420, 2017

山岸文雄

結核はHIV,マラリアと並び,世界三大感染症の1つに数えられており,世界人口の約1/3が結核菌に感染していると推測されている。WHOの報告によると,2015年には年間約1,040万人が結核を新たに発病し,約180万人が死亡し,そのうち40万人はHIVにも感染していたとされている1)。結核対策だけでなく,HIV対策の重要性も求められている。
わが国の2015年における新登録結核患者数は18,280人で,前年の19,615人より1,335人(6.8%)減少した。結核罹患率は人口10万対14.4と,前年の15.4より1.0(6.5%)減少した2)。都道府県別結核罹患率をみると,10.0未満の都道府県は最も低い山形県の7.3をはじめとして9道県を数え,最も罹患率が高い大阪府の23.5との間には約3倍という大きな地域格差が認められる(表1)2)。2010年に長野県が全国で初めて罹患率10以下となったが,わずか5年の間に9道県に増加している。また2010年の大阪府の罹患率は29.9で,同年の罹患率20以上の都道府県は8都府県であったものが,2015年には大阪府のみとなっている。また大都市の罹患率は高いことが多く,政令指定都市でみると大阪市34.4,名古屋市22.4,堺市22.0,神戸市21.3,東京都特別区19.1,北九州市18.9などである。わが国では結核罹患率の減少速度の鈍化が指摘されて久しいが,厚生労働省は2016年に「結核に関する特定感染症予防指針」の一部改正を行い,具体的な成果目標の1つとして,2020年までに結核罹患率を人口10万対10以下とすることを挙げている3)。一方,欧米先進国の結核罹患率は軒並み10.0以下であり,2014年で比較すると日本の罹患率15.4は,米国(2.8)の5.5倍,カナダ(4.4)の3.5倍,オランダ(4.8)の3.2倍と,依然として日本は結核の中蔓延国である2)
「KEY WORDS」肺結核,糖尿病,免疫抑制宿主,高齢者,結核治療


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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