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特集 糖尿病網膜症

糖尿病網膜症による視覚障害の現状
糖尿病網膜症の疫学:発症率,有病率,そして推計患者数

Diabetes Frontier Vol.28 No.3, 268-272, 2017

川崎良

Japan Diabetes Complications Study(JDCS)は成人の2型糖尿病患者に対して生活習慣への介入効果を調査した研究である1)。生活習慣介入による糖尿病網膜症の発症への効果は明らかではなかったが,この研究の中で典型的な2型糖尿病患者における糖尿病網膜症の発症について調査することができた。すなわち,成人の2型糖尿病患者(平均年齢58.2歳,糖尿病罹病期間9.8年,平均HbA1c 7.8%で,糖尿病専門外来に通院中)において,観察開始時に網膜症を有しなかった1,221名を8年間追跡したところ,糖尿病網膜症の発症率は21.1/1,000人年であった。世界的にみると,糖尿病網膜症の発症率は時代とともに減少していると考えられるようになっている。糖尿病患者における網膜症の発症を報告した28の疫学研究に基づくメタ解析では,1975~1985年の研究群では増殖糖尿病網膜症の発症が18.0%/4~5年だったものが,1986~2008年の研究群では6.4%/4~5年と約3分の1に減少し,重篤な視力障害をきたす率も13.7%/4~5年から3.6%/4~5年と大幅に減少していた2)。2つの研究時期の間で,平均HbA1cは9.3%から8.0%に,平均血圧値(収縮期血圧/拡張期血圧)は150/93mmHgから136.1/81.1mmHgに減少しており,高血糖や高血圧の管理の向上が網膜症の発症率の減少に寄与していることが示唆される。
「KEY WORDS」糖尿病網膜症,視覚障害,失明,生活の質,社会負担


※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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