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ゲノムを紐とく~癌と闘う最新医療~/Merging into New Molecular Medicine [学会アイ]

投稿日時:2018/03/02(金) 09:00rss

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学会アイ

No.83 2018.03.02 発行:株式会社メディカルレビュー社

ゲノムを紐とく~癌と闘う最新医療~/Merging into New Molecular Medicine

178年前の天保11年3月2日(1840年4月4日)、“遠山の金さん”こと遠山景元(通称“金四郎”)が北町奉行に任命されました。数々の映画やテレビドラマ(時代劇)によりお白州で名裁きを行うイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は町奉行は東京都知事に近い職業で、江戸の町を治める政治家としての仕事がほとんどだったといわれています。裁判は職務の一部だったそうですが、それでも年間300~400件の訴訟を一人で裁いていたそうですから、相当な激務であったことがうかがえます。 そんな金さんは、馬での登城が困難なほどの痔だったため、駕籠で登城できるように申請していたという文書が残っているそうです。江戸時代、満足のいく治療を受けることもできずに日々の激務をこなすのは、想像以上に大変なことだったのではないでしょうか。医療を受けられる今の時代に、そして今の日本に感謝しつつ、より一層の医学の発展を願いたいと思います。

さて、本号では「第51回制癌剤適応研究会」「第55回日本臨床分子医学会学術集会」をご紹介いただきます。ぜひご覧ください。

目次
「第51回制癌剤適応研究会」2018年3月23日(金)
スキルス胃癌に対する分子標的治療の展開
「第55回日本臨床分子医学会学術集会」2018年4月13日(金)~14日(土)
異所性脂肪と脂肪毒性

学会・研究会開催のお知らせ

第51回制癌剤適応研究会

会  期 2018年3月23日(金)
当番世話人 吉田和弘
(岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍制御学講座
腫瘍外科学分野教授)
会  場 下呂温泉 水明館(岐阜県)

今回のテーマは「ゲノムを紐とく」です。本研究会の歴史を振り返ると、抗がん剤治療が効かない時代から、感受性試験による効率の良い治療、より効果を出せる工夫、効果の予測因子の策定、個別化療法(personalized medicine)そして今や精密医療(precision medicine)へと変化・発展してきました。 これには、次世代シークエンサーを用いる事により実現したゲノム検索、その結果、臓器を横断した有効薬剤の選択と治療が実現するという事になります。これらを加味し、本会ではPrecision Medicine を実現するための網羅的ゲノム解析の試みやEpigenetics、microRNAや網羅的オミックス解析、新たな治療の開発など、現状と問題点、さらには将来展望について議論して頂けると幸いです。 日本の臍(中心)である岐阜から世界に発信できる会にできればと思っております。

 

詳細は以下のホームページをご覧ください。
http://www.jrsacc51.jp/index.html

ピックアップ
スキルス胃癌に対する分子標的治療の展開

胃がんperspective Vol.9 No.3, 16-21, 2017
八代正和

代表的な難治癌であるスキルス胃癌は、明らかな腫瘤を形成せず癌細胞が豊富な線維組織増生を伴いながら広範囲びまん性に増殖・浸潤する硬い癌である。スキルス胃癌は胃癌全体の7%、進行胃癌の15%程度である。胃癌の治療成績は向上しているが、スキルス胃癌の術後5年生存率は依然15%~20%程度にすぎず、スキルス胃癌の新規治療法開発は胃癌診療の重要課題である。
イマチニブによる癌分子標的治療分野のブレイクスルー以降、分子標的治療の発展は目を見張るものがある。スキルス胃癌においても分子生物学的特性を標的とした治療薬の開発が大いに期待される。しかしながら、スキルス胃癌の発生頻度が少ないためスキルス胃癌のみに限局した大規模な臨床試験はなく、スキルス胃癌に特化した分子標的治療薬の認可はまだない。したがって、今までに行われた胃癌臨床試験においてスキルス胃癌に類似する臨床病理情報のサブグループ解析からスキルス胃癌に対する治療効果を推察せざるを得ないのが実状である。スキルス胃癌は特徴的臨床像を呈するが、その分子生物学的特徴も最近明らかになってきた。スキルス胃癌の分子生物学的特性を標的とした治療法開発が有望と考える。本稿では、スキルス胃癌治療の現状と、今後期待される分子標的治療について述べる。

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学会・研究会開催のお知らせ

第55回日本臨床分子医学会学術集会

会  期 2018年4月13日(金)~14日(土)
会  長 島野 仁
(筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科教授)
会  場 みやこメッセ(京都府)

第55回日本臨床分子医学会学術集会を2018年4月13日(金)から14日(土)までみやこメッセ(京都)にて開催させていただくことになりました。本学術集会のテーマは、領域横断的なディスカッションを融合させるとともに、めまぐるしい社会の進展を学び、取り込み、新しい医療を産み出していく期待感を込めて“Merging into New Molecular Medicine”といたしました。プログラムも代謝学を源流とした領域横断的な幅の広さに、さらにその先の何かを皆さんに感じてもらえるような内容で準備をしております。特別講演ではサイバニクスの山海嘉之先生、脳科学の中田力先生をお招きし、ふだん聞けないようなスケールの大きなご講演をいただきます。シンポジウムでも多岐にわたる背景の方々にMergingを意義深いものにしていただけると期待しております。専門的な視点を極めようとする学会が大多数を占める中、領域横断的な視点に立ち返って俯瞰しながらそれぞれの専門領域を見直してみる、というのも研究の発展にとって重要な機会であると思われます。皆様のご参加と楽しい議論を改めてお願い申し上げます。

 

詳細は以下のホームページをご覧ください。
http://www.mtoyou.jp/jsmm55/

ピックアップ
異所性脂肪と脂肪毒性

CARDIAC PRACTICE Vol.27 No.4, 17-21, 2016
桒田博仁 ほか

メタボリックシンドロームでは、脂質異常症、耐糖能障害、高血圧症のリスクが重積し、心臓血管病の発症リスクとなる。メタボリックシンドロームでみられるインスリン抵抗性の発現には、肝臓や骨格筋などの脂肪組織以外の臓器(nonadipose tissue)における脂肪蓄積、異所性脂肪(ectopic fat)が重要であるという考えが、提唱・支持されるようになってきた。異所性脂肪が蓄積することで、肝臓、骨格筋の慢性炎症やインスリン抵抗性が起こり、その結果として、脂質異常症、耐糖能障害、高血圧症のリスクが集積し、心臓血管病が起こりやすくなるという病態が想定されている。メタボリックシンドロームは、肥満の脂肪組織を起点として、アディポサイトカインや遊離脂肪酸を重要なメディエータとする複雑な臓器間ネットワークを介し、全身に慢性炎症が拡大・波及する病態と考えられる。

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学会カレンダー

M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。

会期 学会名/会長 主会場
3/10 15 日本小児栄養研究会
上田玲子
東京
帝京科学大学 千住キャンパス7号館
3/10 16 姿勢と歩行研究会
柳原大
東京
興和創薬株式会社本社 11階ホール
3/17~3/18 7 日本臨床腫瘍薬学会学術大会2018
川尻尚子
横浜
パシフィコ横浜
3/22~3/24 27 日本有病者歯科医療学会総会・学術大会
大木秀郎
東京
タワーホール船堀
3/22~3/24 38 日本歯科薬物療法学会学術大会
大木秀郎
東京
タワーホール船堀
3/23~3/24 13 日本統合失調症学会
大森哲郎
徳島
あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)
3/24~3/25 20 GID(性同一性障害)学会研究大会・総会
針間克己
東京
御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター
4/5~4/7 118 日本外科学会定期学術集会
國土典宏
東京
東京国際フォーラム 他

Editor's eye

明日3月3日は桃の節句ですね。
ちらし寿司に蛤のお吸い物、菱餅に雛あられ、白酒や甘酒……。
緋毛氈に桃の花や雛人形を飾ると、一気に華やぎます。
この雛人形の生産が最も盛んな地域は埼玉県で、全国シェアの約45%を占めます。 雛人形職人が300人以上いるという旧岩槻市は、日光東照宮を作る職人が、その技術を生かして人形作りを始めたそうで、その高い技術は江戸木目込人形や岩槻人形として国の伝統的工芸品に指定されています。
また、約380年の人形作りの歴史を有する鴻巣市では、毎年「鴻巣びっくりひな祭り」が開催されます。高さ7メートル、31段、人形数1,830体(2017年)の日本一高いピラミッドひな壇をはじめ、市内各所に様々な形で1万体を超える雛人形が飾られるそうです。びっくり!

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